業界コラム

認知症の見分け方

公園のベンチ

認知症は早期発見、早期治療が大切

認知症は脳の病気や障がいなどが原因で、記憶や思考などの能力が低下していく症状をいいます。

認知症にはいくつかの種類があり、最も多いのがアルツハイマー型認知症と呼ばれるものです。
アルツハイマー型は神経細胞の働きに障がいが生じて脳神経が変性し、脳の一部が萎縮していくためにおきる認知症です。

しかし認知症は早期発見、早期治療を行うことで、その進行を遅らせることができます。
このため、本人や周りの人が早めに気づいて治療を行うことが大切です。

現在では、まだ認知症と診断されるほど症状は進んでいないけれど、記憶力などの脳の機能が低下している状態を認知症の前段階として軽度認知障がい(MCI)と名づけ、軽度認知障がいの早期発見に注目が集まっています。
軽度認知障がいになった人の全員が認知症になるわけではないのですが、この段階から治療を行うことで、認知症の発症を遅らせる効果があると期待されているのです。
最近、同じ年代の人より物忘れがひどいと感じたら、なるべく早めに医師の診断を受けることをおすすめします。

正常なもの忘れと、認知症のもの忘れの違いとは?

人間誰しも物忘れはあるものです。
特に、複雑な現代社会に生きる私たちは、処理しなければならない情報が多すぎるため、脳の情報処理が追いつかず、つい忘れ物をしてしまうということは日常茶飯事です。

では正常なもの忘れと、認知症のもの忘れはどう違うのでしょうか?
正確に正常なもの忘れと認知症を区別するのは難しいですが、認知症を見分けるための目安があります。

(参考サイト)
認知症

(1)日常生活への影響
まず、もの忘れが多くて、ふだんの生活に支障があるかないかを確認しましょう。
友人と話していてタレントのうわさ話になったときに、どうしてもそのタレントの名前が思い出せないという経験はありませんか?
また、昨日食べた昼食が何だったか、すぐに答えられないということはないでしょうか?

このようなもの忘れは、仕事に支障をきたすこともなく、タレントの名前を忘れたからといって家事ができなくなるわけでもありません。
つまり、日常生活に何ら影響のないもの忘れですから、正常な物忘れといえます。

しかし、ご飯を食べたことそのものを忘れる、仕事の約束を忘れる、毎日通勤している道なのに迷ってしまうといった症状がある場合は、日常生活や仕事に支障をきたしてしまいます。
このような場合は認知症の可能性が高いですから、ただちに医師に相談しましょう。

(2)自覚があるかどうか
自分で最近忘れっぽくなったな……という自覚があるならまだ安心ですが、もの忘れが多いことにまったく気が付かない場合も、認知症である可能性が高くなります。

(3)学習できるか?
たとえ物忘れがあっても、新しいことを覚えられるのなら普通のもの忘れといえます。
しかし、新しいことが覚えられなくなったら、認知症を疑いましよう。

(4)人格は?
幻覚や妄想がある、以前は優しいひとだったのに暴言や暴力をふるうようになった。
また、以前は活発な人だったのに、最近は物事に関心を示さなくなり無気力になったなど、人格に変化がある場合も認知症の疑いが濃くなります。
早急に医師の診療を受けてください。

軽度認知障がいの症状

また、認知症の前段階である軽度認知障がいの場合、次のような症状が出ます。

・同年代の人よりも、物忘れが激しい。
・もの忘れが多く、忘れっぽくなったという自覚がある。
・もの忘れはするが、日常生活には支障がない。
・物忘れはないが、言葉が出てこない、相手の言葉が理解できない、知り合いの顔が分からない、一人で服を着られない、お茶を入れられない、計画を立てて実行できない。
このような症状がある場合は、軽度認知障がいの疑いがありますから、医師に相談してください。

    © 2015 - 2025 介護業界0年生 All Rights Reserved. | サイトマップ