介護事業所の経営になくてはならない存在
介護事務の魅力を一言で言うと、専門性の高い職業であることからくるやりがいと、将来性の高さです。
介護事務の主な仕事は介護保険制度に基づいて、正しく介護報酬を請求することです。
何人もの利用者に介護サービスを提供している施設や事業所では、介護保険に基づいて国に請求する介護報酬は大きな金額になります。
このお金が施設や事業所の収入になるのですから、ミスが許されない専門性の高い仕事です。
介護事務の資格を生かして、この請求業務を滞りなく行うことは、大きな達成感を伴う仕事です。
また、直接介護には当たらなくても、毎日高齢者と顔を合わせますから、人と人とのふれあいが得られる職場でもあります。
高い将来性
介護事務は将来性が高く、今後20年は右肩上がりに成長期する業種として注目されています。
政府が発表した「平成27年版高齢社会白書」によると、2014年時点の日本の人口は1億2,708万人でした。
このうち65歳以上の高齢者は、過去最高となる3,300万人に達しており、日本人の4人に1人が高齢者となっています。
しかも、この割合は今後も増え続け、約20年後となる2035年には65歳以上の人口の割合は33.4%、75歳以上の人口の割合が20.0%。
日本人の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になると推計されているのです。
このため、今後20年は介護保険制度を利用する人が増えるため、介護事務のニーズがますます高まると考えられています。
2000年に施行された介護保険制度は、まだ若い制度ですから、あまり詳しい内容が知られていません。
このような状況のなかで、介護保険制度に精通している介護事務の仕事は貴重です。
私たちは40歳を過ぎると、介護保険への加入が義務付けられています。
しかし介護保険について詳しい内容をしっている人は少ないのです。
介護保険は要介護度によって使える点数が異なっているなど、意外と複雑です。
しかし介護事務の資格があれば、介護保険についての知識が豊富ですから、いざというときに戸惑うことがありません。
さらに、実際に高齢者を介護するのではなくデスクワーク業務となりますから体力的な負担も軽く、中高年になっても長く働けるという魅力もあります。
再就職がしやすい
介護事務は正社員として働く方法もありますが、パートタイムでの求人も少なくありません。
このため、育児中の女性がパートタイムで働くことも可能です。
また、医療事務の資格は全国で通用するので、将来、他の地域へ引っ越しすることがあった場合でも、就職先が見つけやすいというメリットもあります。
介護事務の資格があれば、履歴書の資格欄に記載できますから、能力がアピールできます。
出産・育児でしばらく仕事から離れていた人でも、職場復帰の際に強い味方となってくれます。